・淡水カレイ(別名:北米淡水カレイ)
 学名:Achirus fasciatus(または Trinectes maculatus
 分布:北米(フロリダ)〜中米(一部南米)

北米淡水カレイ。最もポピュラー種。
上向き。
北米淡水カレイ。実は南米にもいるらしい。
下向き。

 眼は右側にあり、小さく間隔は狭い。有眼側無眼側とも胸鰭はない。体は小判型で、尾鰭は丸みを帯びた四角。頭部周辺に短い毛状の突起がある。動きは緩慢だが、驚くと俊敏に泳ぐ。また、壁面への吸着力も強い。口は小さく、摂餌は口の正面か下の餌を食べるが、上からの餌はあまり見つけられないようである。大きな個体はメダカなどの小魚も食べるがあまり魚食性がなく、冷凍赤虫を好んで食べる。水質は純淡水で中性から弱酸性が調子が良いが、特に神経質になることはない。底砂は細かい砂か何も敷かない方が良い。なお、この種の 2 〜 3 cmサイズのものが、最もコンスタントに輸入されており、淡水カレイ全種の中で最も飼育し易い。最大で 10 cm 程になる。これは余談だが、この種は壁面に有眼側でも吸着することができる。

(飼育のコツ一口メモ)
 北米フロリダ産のものが一般的で、産卵期と孵化直後の仔魚は海の近くで過ごすらしいが、ショップで見られるサイズのものは完全な淡水棲。毎年1円玉ほどの個体がよく見られるが、水温をやや高め( 28 度)にして冷凍赤虫をたっぷり与えて早く 500 円玉程の大きさに育てると丈夫である(逆にこの時期に餌を控えると大きくならない)。また、大西洋に注ぐ中南米河口の汽水域にも同種と見られるものが存在するが、こちらは飼育時に塩分が必要。しかし、汽水棲のものが輸入されることは極めて希。