パラダイス・スレッドフィンは、とにかく泳ぎ回るというのが最大の特徴です。そのため、本種を飼育する場合は、たとえ小さい個体であっても広いスペース(最低でも
60 cm 水槽以上)が必要で、あまり小さい水槽やレイアウトが複雑すぎる場合は、上層部を苦しそうにぐるぐると泳ぎ回り、やがては衰弱してしまいます。また、水質の急変や古い水を嫌う傾向があるようなので、pHが中性付近の比較的新しい水を好みます。それと、水流のある環境を好むというのも、その体の華奢な作りの割には特徴的です。
輸送状態のよい個体に当たれば比較的長期飼育が可能のようですが、狭い所に閉じこめられての長時間の輸送に極端に弱いため、残念ながらよい個体に巡り会う機会は多くはないようです。なお、本属の魚は種類によっては成長に伴い海に下る性質があるようなので、長期飼育に成功して大きくなった個体は若干の塩分を加えた方が調子がよいかも知れません。また、この魚はジャンプ力が非常に強く、せっかく安定した飼育ができたと思っても飛び出しによる死亡事故が多いようなので、ちょっとした隙間であってもしっかりとふさいでおく必要があります。もし、長期飼育に成功すれば、最大で
30 cm 近くになると思われますが、そのサイズでは、少なくとも 120 cm 水槽が必要でしょう。