底質


 底質についてですが、異体類(カレイ、ヒラメ類のこと)はほとんど例外なく砂に潜る性質がありますので、底砂はおおむね必要です。材質として水質の変化をもたらさないもので、カレイが潜りやすいように粒の小さくて丸い砂を敷くのがベストです。しかし、あまり厚く敷きすぎると底の方が酸欠になり水質の悪化を招きますので、3 〜 5 cm が良いでしょう。また、砂はできたら新しいものではなく、やや使い込んだものの方が有機物の膜(いわゆるぬめり)で覆われていてカレイの皮膚に傷が付きにくい上、水質を安定させるバクテリアも付着しているので理想的です。砂の色ですが、異体類は体色を変化させること(保護色)で知られていますが、それでも限度があるようで、できれば各個体の体色に近い砂を選んだ方が良いでしょう。


 なお、どうしても病気の発生を防ぎたいのならば、いっそのこと何も敷かないベアタンクでウォータースプライトでも浮かしておくのも良いでしょう。しかし、ヒラメ養殖の現場でも、砂を敷かないで飼育した個体はストレスで体色が黒くなり、ショックに対して大変敏感になってしまうことが知られていますので、できるだけ砂は敷いてあげた方が良いようです。