飼育全般に関して

 淡水イシモチの飼育全般に関して言えることは、「案外、丈夫な魚である」と言うことです。幸運にもショップで見つけて入手さえ出来れば、飼育は決して難しくはありません。汽水産のものは若干の塩分さえあれば、また、淡水産のものは極端に水質が悪化したりしない限りはそんなに体調を崩すと言うこともありません。その上、食の細い種類や水槽に導入直後で餌食いが悪い個体でも、絶食状態のまま死亡すると言ったこともほとんどありません。また、飼育当初は若干、白点病にかかりやすいようですが、水温を 28 度以上にして、グリーンFなどの治療により、簡単に治るようです。


 では、この魚が何故、これほどまでに入荷量が少ないかと言うと、どうやら「輸送の難しさ」に原因があるようです。日本に無事到着した個体を低密度で数時間程度輸送するぐらいではどうと言うことはないのですが、現地から日本への長時間の輸送では、かなりの割合(半分以上)の個体が死亡してしまうようです。また、一つの袋の中で1個体だけが死亡しても、ニベ科の魚は腐敗が早いらしく、同じ袋で輸送されているイシモチ全部が死亡してしまうようです。そのため、低密度でしか輸送できず、結果として品薄となってしまい、価格も輸送費の関係(輸入貨物の一箱当たりの値段は定額なため、一箱にたくさんの魚を詰めた方が、1匹当たりの価格が安くなる)から高価になってしまうようです。