混泳

 これまでここのサイトで紹介した(順淡水棲)汽水魚は、主に底モノであったので、混泳(特に同種)に関しては特に問題はありませんでしたが、イシモチに関しては、これまでの底モノとは異なり、水槽内を泳ぎ回る性質があり、そのため、種類によってはかなり縄張り意識があることが分かってきました。特に、口が細くてネコ目のタイプのイシモチは、シクリッド科魚類のように異種間だけでなく、同種間でもかなり激しく相手を攻撃するようです。


 そこで、このイシモチを複数で仲良く飼育する方法ですが、よくディスカスなんかで試みられているように、飼育密度を比較的高くすることで、縄張り争いの原因となる適正間距離(魚の各個体間の距離)が短くなり、縄張りを争ってエネルギーを消耗するよりも、複数で群れていた方が無駄な労力を費やさないと言うことを魚自身が察知するようです。この行動は、自然界のアユの行動にも見られ、この行動が本能に基づいているのかどうかは不明ですが、自然界でその種が無駄な争いで子孫を残さなくなってしまうのを避けるために長年かかって培われた自然の知恵と言えるかも知れません。