混泳


 混泳についてですが、基本的にはカレイだけで飼育した方が良いでしょう。自然界では様々な種類の魚と同一地域に住んでいるはずですが、カレイ類は進化の過程で生態的に身を隠すという手段を獲得することで他の魚との競争関係を回避した結果、今日まで生き延びてきた魚ですので、その生態を尊重してあげることが彼らと長く付き合う秘訣でしょう。上手く餌を行き渡らせることができれば混泳も可能ですが、複数の種類を高密度で飼育している場合は、大抵はカレイの所に行くまでに他の魚に食べられてしまいます。


 しかし、カレイの単独飼育は水槽内を魚が泳がない極めて殺風景なものであるのは事実です。そこで、どうしても他の魚と混泳させたい場合、餌付けに十分成功しているカレイであれば、ある程度の混泳は可能です。例えば小型のカレイの場合、ネオンテトラなどの小型カラシンとの混泳が可能で、しかも、カレイが食べることのできない浮かんだ餌や食べ残しを食べてくれて好都合です。

 また、上層部だけを泳ぐ魚(バタフライフィッシュなど)のように、全く競争関係にならない種類も混泳は可能です。あるいは逆にカレイに極めて近い生態を持った魚との混泳は性格が穏やかなもの同士でほとんど問題がありません(バンジョーキャット、チャカチャカなど)。


 ただし、同じカレイの仲間を数種類(例えば北米産と東南アジア産)混泳させるのは、あまりおすすめではありません。この場合、性格の弱い種類が餌を奪われて次第にやせ細っていく傾向があるからです。