最後に

南米淡水シタビラメ(Symphurus plagusia

  私自身、淡水カレイの魅力に取り付かれて 40 年以上経ちます。その後、淡水カレイには数種類存在することや、種類によっては飼育は決して容易ではないと言うこともわかってきました。また、カレイ特有 のカラムナリス病の蔓延は不治の病ではないかと諦めかけたこともありましたが、試行錯誤を繰り返すうちに発病の傾向と治療方法がわかるようになり、今では 一度飼うと長く付き合える魚の一つとなりました。飼育に際して特に極意のようなものはありませんが、もし一言で語るなら、「大変おっとりした魚だが、飼育 環境をしっかり整えるべき魚」です。また、活動する姿を見ようと思って飼った人にとっては皮肉なことに、カレイのような潜る性質のある魚は、元気な個体ほ どしっかりと砂に潜って人目に付かないものです。しかし、そんなカレイの生態ごと楽しむというのは「変わった人だなぁ」と見られるかも知れませんが、同時 に観賞魚の究極的な楽しみ方と言えるのかも知れません。

東南アジア淡水シタビラメ(Euryglossa panoides


 最近では毎年のように店先にカレイが水槽に引っ付いている姿が見られるようになり、そのユーモラスな姿に思わず買って帰る人も少なくないでしょう。そん な方々にこのマニュアルがお役に立てたなら大変光栄です。しかし、まだまだ未発見の種類や発見されていても輸入されていなかったり飼育方法がわからないも のがあるので、調べるべき点は尽きません。それでは、みなさんもより楽しい「淡水カレイライフ」をお過ごし下さい。ほな、さいなら。