水質


 まず、言っておかなければならないのが、ほとんどの淡水カレイが汽水棲ではないと言うことです。私の知る限りでは、アマゾン河口域(ベレン)産のもの(淡水ヒラメ、淡水カレイ(丸型 1 )および淡水シタビラメ)と東南アジアのごく一部のシタビラメだけが飼育時に若干の塩分が必要です。その際、塩分を含んだ水は真水と比較して酸素が溶け込みにくいのと同時に水質を安定させるバクテリアが増殖しにくいので、エアレーションを多めにしておきます。

ムナグロアズマガレイ(左)とアマゾン淡水ヒラメ(右)などはアマゾン河口域産で塩分が必要!

 それ以外の種類はむしろ純淡水棲と考えた方が良いようです。産卵期や孵化直後の仔魚期に若干塩分のある水域で過ごすものもいるようですが、それでも輸入されてくるサイズではすでに淡水に適応しているものがほとんどです。また、ペーハー( pH )は、淡水棲のものでも中性から弱酸性まで様々で一概には言いにくいのですが、とにかく健康な状態で飼われていた時の水質を極力維持することが大切です。これは、他の熱帯魚についても言えることですが、淡水カレイは特に体表の粘膜が敏感で、ペーハーショックが肌荒れの原因となり、さらには水カビや細菌に冒されて死亡する例が非常に多いので、この点を十分に注意する必要があります。そのためには定期的な部分換水(週に一度、最大 1 / 2 程度)をゆっくりと時間をかけて行うのが最も有効です。



 飼育水温ですが、淡水カレイはほとんど全てが熱帯性ですが、全般的に極端な高温( 30 ℃ 以上)を嫌います。しかし、一般的な熱帯魚と同じ 25 ℃ 前後では、急に餌食いが悪くなったり体表粘膜が白っぽくなって不活発になることが割とあるので、少し高めの 27 〜 28 ℃ 程度に維持した方が体調を崩さないようです。