最後に

 私自身、この非常にユーモラスな魚の魅力に取り付かれた一人なのですが、それ故に残念な点として、この魚は飼育が決して容易な魚ではないことを言っておかなければなりません。特に汽水産は手慣れている人はいるのかも知れませんが、私自身は 1 年以上の飼育に成功したことはありません。また、輸入量も少なく、大変高価なことがより飼育されにくい理由のようです。ショップにいるストーンフィッシュを見るたびに、「買われていくストーンフィッシュの一体何割が長期飼育されるのだろう」と思ってしまいます。

汽水産ストーンフィッシュ。顔の上に貝が歩いていても平気!

 しかし、淡水産の方は適切な世話を行った飼育条件下でかなり安定した飼育が可能だと言うことがわかってきました。また、輸入当初から比べると、毎年まとまった個体数が輸入されるようになり、価格的にも入手し安くなりました。

淡水産ストーンフィッシュ。左上にも1匹いるのがわかる?

 普通は一度「弱い」と言うイメージが定着してしまうと、以後あまり飼われなくなったりしますが、この魚に関しては多くはないながらも安定した輸入があることから、何度でもチャレンジしたいと思わせる何か魅力のようなものがあるのかも知れません。それは恐らく、この魚がこれまでのどの淡水魚にもない形態的そして生態的特徴を持っているからではないでしょうか。それ故、一般的なナマズ類などのいわゆる「底モノ」と同じように考えない方が良いでしょう。また、飼育のコツのようなものを一言でいうのは難しいのですが、「水と砂を清潔に保つ」のが長期飼育成功への第一歩でしょう。
 それでは、決して多くはないであろうストーンフィッシュ愛好家の方たちの健闘を祈ります。ほな、さいなら。