マルへの裏道1

これがマルスッポン(Pelochelys cantorii)のタイCB個体。丸くて夏みかんが傷んだような皮膚感。


 ずーっと昔からコガシラを飼ってみたかったのは先程述べた通りなんですが、その初めて巨大コガシラと出会ったショップでほぼ同時期に、実はもう一つの出会いがあったんです。店の片隅に小さなプラケースが2つ並んで置いてあって、中には一見砂しか入ってないように見えました。でも値札が貼ってあって、そこには「マルスッポン」と書かれてありました。で、よーく見ると、砂の中に何やら顔のようなものが・・・。何ともひょうきんな目つきにスッポンらしからぬ短い鼻。そしてそれ以外は何も見えない外観。まさに謎だらけのスッポンでした。名前から察するに、「さぞかし丸いんやろうな〜」ぐらいしか見当がつきませんでした。

マルスッポンの顔。実にオトボケ系と言うか、じっと見てると癒し効果も・・・。

 結局、興味はひかれながらも、当時は(値段的に)買うわけにはいかなかったので、お店の人に頼んで砂から出して見せてもらうこともなく、謎は謎のままに・・・。その後、このスッポンの姿などの情報を知ったのは随分後になってからでした。で、分かったことは、とかく情報が少ないな〜ってこと。その背景には、どうやらこのスッポンの生態に秘密があったみたいなんです。

 このマルスッポン、東南アジアを中心に生息してるらしいんですが、とかく「飼育が難しい」ことで有名だったんです。エサを食べない、調子を崩しやすい、長くは飼えない・・・などなど、これらの条件が重なって、結局扱われる個体数が少なかったんだとか。で、現在、数は多くはないながらもCB個体(養殖個体)が来ているようで、以前と比べると飼育についてそんなに神経質になることもないようなんですが、残念ながら現地での生息数が減っているようで、コガシラ同様、ワシントン条約の規制対象に入っちゃいました〜(;´Д`)。