マルへの裏道2

こちらもマルスッポン(Pelochelys cantorii)のアメリカCB個体。前のものと比べるとやや縦長。


 ところでこのマルスッポン、最近になってようやくいろんなカメの本に登場するようになったんですが、どの本を見ても違った印象を受けるんです。丸いものや楕円形のもの、黄土色のものやオリーブ色のもの、頭部や甲羅に模様のあるものや全く模様のないものなどなど、実に様々です。産地は中国、東南アジア、ニューギニアと、コガシラと同様に不自然とも思える広い分布をしていて、一部は「ハナマルスッポン(P. bibroni)」と言って別の種とされていたり、実に地域変異個体が多いんだとか。このような分布になった理由としては、昔々にスッポンを食用として様々な地域に運んで養殖しようとしたものが逃げ出して、現在のような分布になったのでは・・と言われてます。

マルスッポンの顔。どのスッポンよりも鼻が短くて唇が分厚く、パグ犬を思わせる・・・かな。

 で、凛々しい(あるいはヤンチャそうな)顔つきの多いスッポン達なんですが、そんな中にあってマルスッポンは何ともユーモラスと言うか、眠たそうと言うか、人をおちょくったような顔をしてるです〜( ´▽`)。体つきや頭の小さいところはコガシラに似通っている点も多く、砂の潜り方、強い魚食性(砂の中で待ちぶせて、いっきに小魚を襲う)と言う点でもかなり似ています。オマケに生息地も重なってるし。しかし、この顔つき(特に目つき)については、マルスッポン独特のような気がします。

 この癒し系のスッポンがもう少しポピュラーになったら、さぞかし面白いのにな〜・・と思う反面、入荷量の少なさ、飼育が難しいという噂(実際はそんなに難しくないと思うんですが・・)、そしてコガシラ同様のアダルトサイズの巨大さ(120センチ程)、などなどの理由で、表立ってお薦めはできないかも・・・。と言うことで、「マルへの裏道」という形で紹介しておきます〜m(_’_)m